外では雲行きが怪しくなり、今にも雨が降り出しそうである。 アースは一人、静まり返った教室の窓際の机に腰掛け、空を見ていた。 ガラガラと大きな音を立てて、ドアが開いた。 ………………………誰? 逆光でドアの近くに佇む人物は、ただの黒い影にしか見えない。 …………先生じゃ、ない。 大人の背にしては、黒い影は小さすぎた。 両者に沈黙が流れる。 アースは黒い影が誰か見極めようと、目を細めた。