「返事ははいだけでいいぞ〜うわは余計だな!」
先生がニヤリと意地の悪そうな顔をして立っていた。
このまだ若い先生は、悪戯好きで生徒をからかうのを趣味にしているような先生だ。
「ごめーんね、ラルフ先生。」
アースはふざけた口調で返す。
周りの少数の生徒がクスクス笑う。
それを見て、ラルフはニヤッと人の悪い笑みを見せたかと思うと、教卓の前から離れ、スタスタとアースの席の前に歩み寄ってきた。
「お前、今日の放課後残れよ。教室な」
「………!はぁっ?」
アースは驚いて立ち上がった。
「俺は何にもしてねえよ!?」
「さあな〜僕には全くわかんないな。まぁ、放課後を楽しみにしていたまえ」
「何が僕だ!普段の一人称、俺様のくせに!!しかも、たまえってなんだよ。気色わりーな」
二人のやり取りにクラス中が笑う。
それに満足したのか、ラルフは教卓の前に戻り、今日の行事の詳細を伝えて、じゃあ授業がんばれよと面倒くさそうに手を振りながら、教室を出ていった。
あの態度は知っているな、と思う。呼び出しの内容を。

