暗闇の果てに



はあとわざとらしい溜め息をつかれた。

「……なんだよ」

「あのね〜こんなにいい点数とれるのなら毎回とってきてほしいのだけど……?」

アースの母、リアティンが頭に手を添えてため息をつきながら言う。


「…………」




何も言い返してこないアースに痺れを切らし、彼女はもう一言文句を言うために口を開いたが……自分の夫であり、アースの父アルフェンドの言葉に遮られた。

「お前はお前なりに自分の勉強をしているのだろう?」

アースは頷いた。
アルフェンドは優しく笑って次はリアティンに話し掛ける。

「リアティン?アースは自分自身で決めたことを貫こうとしている。それを見守ってあげるのが親の役目だろう?」


「わかってるわ……だけどアースには才能があるの、もちろんあなたにもあるけど…アースには今までに見たことがないようなカリスマ性があるのが私にはわかるの!」




……母上はこんなに俺のことを考えてくれていたんだなぁ。


アースは顔を上げて両親を見据えた。


「父上、母上。俺は父上の跡を継ぐことを誇りに思っているんだ……だからこそ、いい大臣になりたい!そのためにもアルデルトで民のことをもっと詳しく知りたいんだ」




二人はアースのまっすぐな目に将来の有能な大臣を見た気がした。

「やっておいで、お前の気が済むまでアルデルトで勉強しておいで」





「ありがと!父上、母上」
アースは二人が自分のことを理解し、応援してくれていると感じた。