「……敦くん。失敗は、お互いがお互いを信頼しなかったことなんだよ。私たちはもっと信頼し合うべきだったんだよ。青山くんだけを陥れるとか、お互いがお互いを本気で殺しに来ていたかもしれないとか、そういう疑いを持っちゃいけなかったんだよ。」
私は敦くんの横にしゃがみ込んだ。
「そしたら、青山くんは、私を守ろうとなんてしなかった。死ななくて済んだ。」
「……ああ、わかってる。わかってる。」敦くんはゆっくりと立ち上がった。
「でも、これは結果論でしかない。次は上手くやろうなんてできねえ。オレは人を殺した。みんなの前で派手に人を殺した。これから先、長い人生が待ってんのによお、こんなつまんねえところで、こんなバカやってよお……。」
「違うよ! 私だって共犯だよ! 敦くんだけが悪いんじゃない! 私だって殺人ほう助だよ!」
「いいや、香澄さん。アンタは気にしなくていい。知らぬ存ぜぬで通せばいい。」
そして、敦くんはフェンスに手をかけた。



