劇団「自作自演」






屋上に行くと、敦くんはフェンスを何度も何度も蹴っていた。



「クソッ! 大失敗だ! なぜこうなった!」



私はそんな敦くんを抱き締めて、落ち着かせようとした。



「大丈夫だよ、大丈夫だよ、大丈夫だよ……。」



しかし、敦くんは聞いてくれない。



私の肩を思いっきり掴んだ。



「香澄さん。アンタはオレを本気で殺しに来たのか?」



「違う! あれは演技! 演技なの!」



「じゃあ、青山が死んだのは……あれは演技か? オレだけが知らない、香澄さんと青山との間で仕組んでた演技だよな? ドッキリだよな?」



私は黙った。



「……なあ? そうだよな? 香澄さん。そうだよな?」



泣くことしかできなかった。



「……演技だって、自作自演だって、言ってくれよぉ、なあ……。」



敦くんは膝を折って倒れ込んだ。