「『悪魔の証明』?」
私はサンドイッチを食べながら彼女に訊いた。
「そう。『悪魔の証明』。物事は、存在する事の証明よりも、存在しないことの証明の方がずっと難しいって意味のことなんだけど。」
ある事の証明よりも、ない事の証明の方が難しい……?
「よくわからない。」
私は正直に答えた。すると彼女は、私のサンドイッチを1つ、手に取った。
「例えばこのサンドイッチ。この中に虫が入っていることを証明するには、その虫を見せればいい。でも、入っていないことを証明するには、サンドイッチを分解して、材料1つ1つを念入りに見せて、入っていないことを証明しなければならない。手間がかかるのは、もちろん後者よね。」
「なるほどね……確かに、ビックフットが存在することを証明するのは、ビックフットを見つけるだけでいいけど、ビックフットがいないことを証明するには、世界中をくまなく探さなきゃいけないもんね。」私はそう解釈した。
「それで、北條さんはどうして私にそんなことを訊いたの?」



