敦くんは、それには答えず、話を続けた。
「しかしなあ、香澄さん。アンタの悪いところは、クエスチョンマークをクエスチョンマークのまま。つまり、疑問を追求しないところだ。自分で考えようとしない。誰かに訊けばなんでも返ってくると思ってんだ。」
「そんなことは……。」
ない。
そう答えたかった。でも、答える前に私の中の良いところが出た。
「本当に『ない』のだろうか?」
クエスチョンマークを持ってしまったのだ。
そうなると、私は何も言えなくなっていた。黙った。敦くんの次の言葉を待った。
「なんだ? ん? 言い訳か? ああ、言い訳ね。いいじゃねえか。うん。素晴らしいよ。オレたちは大人じゃねえ。学生なんだ。だから、言い訳したって構わねえ。『だって』、『でも』、『いや』を上手く使ってな。そうして、自分を正当化するんだ。自分は正しい考えの持ち主だってことを証明するんだ。でも、それって結局ダセェよな。まるで、初心者マークの付いたキャデラックみたいでさ。」



