部屋は思ったよりも片付いていた。 男の一人暮らしの部屋にしては、片付いていて、物も少ない。 1Kのアパート。 風呂トイレ一緒のユニットバス。奥にある一室には、ガラステーブルが真ん中に置かれてあり、あとは、青いシーツの掛けられた万年床、そして、小さな本棚とギターがスタンドに立て掛けられてあるだけだった。 「質素だね。」 私はガラステーブルの前に座った。 「物が多くあると、失うものもそれだけ多くなる。」 敦くんは、万年床に寝っ転がった。テレビもない。