「それっておかしくないかい?」
「ああ、おかしい。有り得ねえ。どうやったらそんな器用なことが出来るのか……。恐ろしいぜ、あの女、魔女だ。」
中学生で二股なんてかけていたら、すぐに周囲にバレるはずだ。
そして、その周囲の言葉が松田くんか高倉くんのどちらかの耳に入って、修羅場になる。
それが起こらないのは、おかしい。有り得ないんだ。
お互い二股をかけられていることを知っていたとしても、いざこざが起こらないなんて、少なくとも中学生では有り得ない。
「でも、親友。キミはどうしてそのことに気付いたんだい?」
「たまに店に来るんだ。北條が松田か高倉を連れてな。オレの家とも知らずにオレに見られてるとも知らずにイチャイチャやってるぜ? まあ、最近は見ねえがな。」
「……僕がいるからか?」
「おそらくな。」そして親友は、肩を透かして、僕にあることを訊いた。



