私も恐らく敦くんも…… ゾッとした。 「泣けない鬼」という言葉がぴったり当てはまるほど、奇怪な表情を浮かべた男子がこちらを呆然と見ている。 その「泣けない鬼」は恐る恐る、金魚のように口をパクパク動かしながら、震え、冷や汗をハンカチで拭いながら訊いた。 「親友……キミは、坂本さんとキスを……キスをしたのか?」 私と敦くんは思わず顔を見合わせた。 ……敦くんは笑った。