私は2分遅れで屋上へ向かった。 私の姿を見るなり、敦くんは口走った。 「……香澄さん。オレたちは互いに互いを信じちゃいけねえ。信頼しちゃいけねえ。そう言ったはずだよなあ?」 「ええ、間違いなく言ったわ。」 「しかし、しかし、だ。今は状況が違う。不測の事態にしては、異例だ。オレは思わずチビりそうになったよ。」 そう言って敦くんは、項垂れるようにその場にしゃがみ込んだ。 膝を抱えて、50m走の順番待ちをしている小学生のように。