───先月の今日、俺は十八の誕生日を迎えた。
その日、俺は色々なものを『持ち過ぎてしまっていた』ことに気づき、その“代償”として俺の心は動かなくなってしまったのだと考えた。
確信したのは誕生日の日。
サプライズと称して、俺の友人たちが高そうなホテルの一室を借りて俺のために誕生日パーティーを開いてくれたとき。
俺の通う高校は、普通に共学の私立高だった。
でも、近くに大学病院が立ち並んでいたせいか、医者の娘や息子などのお金に余裕のある人が多い。
俺の友人たちもむろん、そういう奴が多かったため誕生日を盛大に祝うことが多い。
まあ、俺もその息子のうちの一人なのだが。
父は大きな大学病院の医者、母はその大学病院の看護師として働いている。
金銭面で苦労したことは一度もない。
