「とにかく帰るぞっ」
「……うん」
そして私達は、ぽつぽつ歩き出した。
勇斗に掴まれた腕に、いつの間にか勇斗の手はなかった。
「……っていうか、私明日きっと事情聴取だから」
「はっ?」
「あんなに…まだ生徒がいる中で……きっとあんたのファンとかにも見られてるわよっ」
「あ―…何だ、そんな事かぁ」
「そんな事って…あんた人事だと思って―」
「ははっ―」
勇斗がケラケラ笑い出した事に、腹が立った私は少しひねくれた事を勇斗に言った。
「…もし今日の事でいじめられたりしたらどうするのよっ?」
「はぁ―?あぁ―…そしたら…」
そしたら?……何?
「そしたら助けに行ってやるよっ」
「……っ!!」
笑顔でそんな事を言ってくる勇斗に、私は思わずドキッとしてしまった。
「ど……ど―だか……」
そう言うのに精一杯な私は、また視線をそらしてしまった。

