多分これが最初で最後の恋なんだって、わりと本気で思った。

始まりは、中学1年生のとき。
同じクラスで、秋を初めて見たときの印象は、かわいいな。だった気がする。
私より身長が低かったし、笑顔とか、とにかくなんかかわいいって思った。
それがいつ恋心に変わったかは曖昧だけど、3年間で私より大きくなって、声も低くなった。
秋はすごく社交的で、友達がいっぱいいたけど、私は他の人より少しだけ近くにいた。
なんでも相談してくれたし、私もした。
それは、秋が好きな人ができたときもだったんだけど…。
相手は学年一の美人だった。
勝てるわけないじゃん。相談されて始めに思ったこと。
なんでかっていうと、その子、長澤雪ちゃん(ながさわゆき)がとんでもなく可愛いっていうのもあったけど、雪ちゃんも秋のこと好きってこと、知ってたんだ。

結局努力して私が手にした居場所は、秋の一番の女友達だった。
でも、それでも、近くに入れるだけでよかった。
秋の笑顔を、一番安心できる場所で見れるだけで、幸せだった。