ダメだ、話はおろか質問にも答えてくれない。

「星崎さん!」

パン!

彼の顔の前で手をたたいたら、
「わわっ…おはようございます!」

それがよく効いたのか、ようやく我に返ってくれた。

「もう昼を過ぎていますよ」

私は星崎さんにコーヒーが入っているカップを差し出した。

「ありがとうございます」

星崎さんはそれを受け取ると口にした。

「それで、石原さんにハグされてどうしたんですか?」

私は聞いた。

「またねと言って手を振って解散…となりました」

星崎さんは答えた。