Drinking Dance

「…じゃあ、お言葉に甘えます」

「よかった、作り甲斐があります」

嬉しそうに笑った星崎さんに、自分の胸がキュンとしたのがわかった。

何だ、もう。

私はスプーンですくったマカロニを口に入れた。

「そうそう、昨日るみさんから電話がかかってきて」

星崎さんが言った。

「早速名前で呼んでるんですね…あっ」

せっかくの話をさえぎってしまったことに気づいた。

「ええ、呼びましたよ」

星崎さんは気を悪くしていないと言うように言った。

「一瞬だけ驚いていましたけど、満更でもないって言う感じでした。

やっぱり、名前で呼ぶのはいいことですね」

「そ、そうですよね」

名前で呼んだ方がいいと言って勧めたのは自分のくせに、何でこんな複雑な気持ちになっているのだろう。