Drinking Dance

「途中でダメだと思ったら無理しなくていいですからね?

退席しても構いませんから」

不安と緊張で震えている彼の顔を覗き込むと、私は言った。

「いえ、大丈夫です…」

星崎さんが呟くように答えた時、
「稔さん、お待たせー。

会議が長引いちゃったせいですっかり遅くなっちまったよ」

スーツに黒髪短髪の男が私たちのテーブルに現れた。

彼が星崎さんの義弟、京極竹司(キョウゴクタケシ)さんである。

冠婚葬祭で有名な『タカツカサ』の社員として働いているのだそうだ。

「ごめんね、忙しい時に依頼しちゃって」

申し訳ないと言うように謝った星崎さんに、
「いいっすよ、稔さんも家族なんですから」

京極さんは気さくに笑うと、カフェオレをストローですすった。