沙也加は銃を構える。


それは尾形には向けなかった。


うちに向けた。


「沙也加。」


「来ないで!!」


「だったら殺せよ!!うちのこと殺せよ!!」


目を血走らせる。


「うわ…うわああああん…っ…っ…!」


ごめんなさい。ごめんなさいと繰り返し呟く。


「あんたがいちばん恨んでたのは

 ねーちゃんなんだろ??」


「…っ…うん……」


躊躇いながら、頷いた。