あーもう死んだかな?


何回も思ったが、さっきから


脳みそに衝撃が来る感覚がない。


即死するように頑張ったのにさ、


不公平だよね。死なせないなんて。


「さや!!あんたそんなんでいいの??」


聞き覚えのある声の方向を向くと、


ねねがいた。


「ごめんね、さや。
 だから助けに来た。」


「なんで!!やだよ!死なせてって
 言ってんじゃん!!」


朝の乾いた空気に沙也加の悲鳴が響く。


「さや、聞いてほしいの。
 ねねはもう生きられないんだってば。
 生きたくてもね…」


ねねは下を向いた。


気のせいか身体がさっきより透けてる気がした。


「ねね、体が!!」


あぁ、と言うと分かりきったように笑った。


「幽霊だからこの世界に存在できるのは後、
 10分ってとこかな…?」


「お願い。さや!!ママもパパもねねも
 天国でさや見てるから。
 だからねね達がさやを守るから。ね?」


「ねね!!ありがとう。」


私は、溢れそうになる涙をこらえながら


咲う。


今ここで華が咲き乱れたように、


ひっそりと何処かで今も花が咲いてるだろう。