「ねね!!」


ねねは振り返ると優しく微笑んだ。


「ねぇ、ねね。沙也加ねね達の所行きたい。」


そう。ねねは生まれつき病気がちだった。


学校もあんまり行けてなかった。


クラスにも馴染めていなかった。


「だめ。沙也加。ねぇ、私は行きたいの。
 ねぇ私達の、家族で生きてるのはさやだけ。」


ねねはきっぱりと言った。


いつもの穏やかな口調とは違った。


「ねね、でも…」


「神様はね、解決できない試練は
 与えないの。絶対に。」


ねねは哀しく笑った。


「私は、生きたかった、でも死んじゃった。
 その代わりに私が出来なかったことをさやに
 託したの。」


「ねぇ、さや。私はさやがずるい。
 だってさ自由だったじゃん。
 ねぇ、さやに出来ないことはないよ??」


「ねね!!いいよ、私の代わりになってよ!!」


「命を粗末にしちゃだめ!!
 もう帰って、」


冷たく突き放された。


「ねね!」


「2度と来ないで!!」


来ないでと言われると


辺りは真っ暗になり、


ねねの姿は闇に包み込まれた。