《沙也加side》


私はいつもどちらかと言えば、


クラスの中心にいるほうだと思う。


ねむのことは好きだけど、告白の件が


あってから少し気まずい状態だ。


でも、それが最強に気まずくなったのは


2日前の事だった。


私は、あの時臼井くんと一緒に


帰っていた。


臼井くんが優しく手を握ってきたから


私も偽りなのか自分でも分からない


淡い微笑みをつくって、握り返した。


この手だけは何があってもねむには


渡さないと思った時だった。


柔らかいものが触れたのは。


臼井くんの唇だった。


それから、5分間互いに愛を確かめ合うかのように


唇を触れあわせた。


「うそ‥‥でしょ」


と、いう切ない声の先にいたのは


ねむだった。


ねむは信じられないと言う表情だけを


造り、静かに帰っていった。


ねむが帰ったあとに


「殺人ゲーム」


と、言う言葉を思い出したのだった。