理科準備室ーーーーーー


ドアに手をかけようとする。


「さや…」


「だめ!!」


強くはっきりとした声で


誰かに止められた。


「丹波…?」


「いい加減さ諦めなよ。」


「もうあんたなんか振り向いてもらえないんだよ」


丹波は軽そうにあめを舐めながら言う。


でもそこには強い意志が入っていた


「あんたが後悔して、泣くだけだよ?」


「…ち、」


違う、そう言ってやりたかった。


「ほらね?分かってんでしょ?
 気が済むまで泣けばいいよ。授業には
 遅れないように。」


丹波は不器用だけどそこに優しさが入っている。