《尾形side》


「尾形先生」


沙也加は澄んだ声で聞いてきた。


可愛い…


「なんですか?」


甘えてくるように少しだけ


俺の肩に頭を乗せる。


「私のお母さん殺したのって、臼井くんですよね?…」


「あぁ、そうだ。
 俺が守ってやるからさ。抱きついて来いよ」


「ばか!……うわあああああん…」


沙也加が少し下を向くと、涙を零した。


「やだ!やだ!やだよ。帰りたい……」


沙也加は泣きじゃくった。


「ほんとはやだよ。ねぇ、やだよ。
 どうしたらいいの?」


沙也加は上目遣い気味に問いた。


「うん、そうだよね…じゃあ俺が
 家族になってやろうか?」


「え…?」


驚きのあまり声がでないという様子をしていた。


「先生、ギルティーです」