《臼井side》


ほんとは俺、生きています。


沙也加の家に向かったけど応答なし。


手がかりなしで探すしかない。


しばらく、歩き回っていると


沙也加らしき影が見えた。


「さや…」


声をかけようとした時、


隣にいる人を見て固まってしまった。


尾形せんせーと沙也加がいた。


旗から見ればお似合いのカップルだろう。


じわじわと後から涙が頬を伝う。


沙也加は気配を感じ取ったように後ろを向いた。


一瞬だけ目があったが沙也加は


何も見ていないように視線を逸らした。


しばらく、沙也加と尾形せんせーの


後をつけていると路地裏に


入り込んだ。


キス…か?


「辞めてよ…せんせ」


口ではそんなこと言うが実際は


お互いに見つめあっているだろう。


沙也加………ほんとに俺が好きだった?