「ほんとに…しんでるんだね…」


ねむも冗談だと思っていたのか予想以上の


驚きを隠せないで戸惑っている。


「貴方ですか?沙也加さん」


後ろから渋い男の人の声が聞こえた。


「あっ、……刑事さんですか?」


突然だった為、少し鈍った声で返事をしてしまった。


「そうです。藤崎 沙也加さんですか。
貴方が臼井くんの彼女さんでしたか」


刑事さんは思ったより明るめの声で笑った。


それはせせら笑うような声ではなく


優しさに満ちた声だった。


「臼井くんはやるべき事はやったと言う
遺書を残して死にました。」


「この事件解決しましょうか?
藤崎さんの判断にお任せします。」


「あのぉ……」


と、しばらく取り残されていた尾形先生が口を開く。


「私と彼女で調べてみて、無理でしたら警察に
ご協力いただく。そのような形で宜しいでしょうか?」


尾形先生が丁寧な口調で喋ると、


刑事さんもにこやかな笑みを浮かべて


ゆっくりと頷いた。


「有難うございます。では、」


丁寧にお辞儀をするとその場をすぐ去っていった。