《沙也加side》


「やだよ。なんでやだよ!犯人言ってよ!
なんで!?幸せだったの?ねぇ、答えて!」


私は手紙に必死に問いた。


顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃの状態だった。


「沙也加さん、しょうがないです」


尾形先生は落ち着いた声で言った。


「さや、死体見にいってから泣こうよ?
その時は私がそばに居るから、ね?」


「…ねむ……ありがとう」


顔を歪めて愛想笑いを浮かべた。


優しいねむに返せることは


これしかないんだから。


愛想笑いを返すしか出来ないんだから。