食事が終わると、私達にはゆっくりする余裕もなく、直ぐに会社に戻った。

支払いは、私がお手洗いに行っている間に、生田君が済ませてくれていた。

店を出ると、早足で生田君が会社に向かって歩き出すので、彼の背中に向かって、声を掛ける。

「ご馳走様でした。美味しかったです。」

エレベーターを上がり、営業部のあるフロアへ入ると、無言で、それぞれのデスクに向かった。

生田君と二人でランチって言うだけで、嫉妬で騒ぎ立てる女子社員がいるからだ。

生田君もそれは心得ているようだ。