3度目のFirst Kiss

「はい、広瀬です。」

「もしもし、矢沢です。今、大丈夫ですか?」

「はい、奈緒子の体調はどうですか?」

「それが、本人は会社に行くと言って聞かないんですけど、まだ微熱があるので、取り敢えず、病院へ連れて行こうと思ってます。奈緒子の仕事の方は、大丈夫でしょうか?さすがに、ここまで、仕事を優先するのは、よっぽど大事な仕事を抱えてるのかと・・・。」

矢沢さんも仕事人間なんだろうな。

「仕事の方は大丈夫です。奈緒子自身がほとんど終わらせているので。それより、無理して会社に来られて、もし、他の人に風邪を移される方が迷惑だと言っておいて下さい。病院、ちゃんと連れて行って下さいね。」

「分かりました。それと、奈緒子が広瀬さんの事を慕う理由も、分かりました。ありがとうございます。病院の診察が終わったら、また、連絡しますので、よろしくお願いします。」

そう言うと、矢沢さんは電話を切った。