「あの、えっと……」

ふたりに、あの日、不自然に置かれてたパイロンと、耳に入った笑い声、視界の角に見えたスカートの話をする。

「それ、宮野先輩に話した?」

「でも、気のせいかもしれないし……」

「杉本先生にも話した?」

「だから、気のせい……」

じろり、ふたりから睨まれて身が竦む。
なんで私、怒られてるんだろ。

「気のせいなわけないだろ。
宮野がそういうのほっとけないのわかってて、目に付くところにわざとパイロン放置したんだから。
計画的」

「そーそー、悪質ー」

「えっと、でも、誰か出して忘れてたのかもしれないし……」

はぁーっ、ふたりが同時にため息をついて泣きそうになった。

そんなに私、変なこと云ってる?