「萌花!」

「おにい……ちゃん……」

ドアが開いて眩しい光の中、お兄ちゃんの声が聞こえた。
差し出された腕にほっとして、そのまま……意識を失った。


次の日は学校を休んだ。

大丈夫、そう云うんだけどお兄ちゃんの心配は最高潮で。
どうしてこんなことになったのか判明するまで、学校に行くな、とまで云われたけれど。
期末試験を休むわけにはいかないし、説得して試験が始まるまでだけにしてもらった。

「もえかー、もう大丈夫?」

「大丈夫だよ。
ほら、勉強しないと」

葵ちゃんとふたりで、私の家で試験勉強。
かなり心配そうな葵ちゃん。
でも、仕方ないよね、あんなことがあったばっかりだし。

「やっぱり生徒会の仕事が終わるの、待ってて一緒に帰ればよかった。
ごめんね、萌花」