ドンドンドン!ドンドンドン!

「開けて!誰か!開けて!」

 ドンドンドン!ドンドンドン!

「誰か、誰か、開けてー!」

いくらドアを叩いたって、反応はない。
しばらく叩いてみたものの、無駄な努力と諦めた。

……はぁーっ。

真っ暗な室内、ため息が漏れる。
上部にいくつか風通し用の窓がある以外、明かりの入らない倉庫。
中は黴臭く、それだけで気が滅入る。

「お兄ちゃんにれんら……あ」

携帯を出してみると、電池が切れてた。
そういえば昨日、そろそろ充電しないとと思いながら、葵ちゃんとメッセージのやり取りしながら寝落ちしてそのままだった。

「どうしよ……」

 ……はぁーっ。

再び落ちるため息。
気付いてくれる人がいなかったら、そんな心配はしていない。
予定の時間に私が帰ってないことにお兄ちゃんが気付いた時点で、大騒ぎして私を捜してくれるはずだから。