サッカー部が隠れて筋トレしてたくらいで、特に大きな問題もなく見回りを終え、報告をして帰る。
岩田くんはいつものように、私の報告を押しつけて先に帰ってしまった。

……葵ちゃん、なにを心配してたんだろ。

首を捻りながら校門に向かう途中。
なぜか通路のど真ん中にパイロン。

……あれ?
今日、工事とか聞いてないし。
それに一個だけとかおかしくない?
誰が出したんだろ。
もう、仕方ないなー。

パイロンを手に校舎の端にある、倉庫に向かった。
ドアを開けたまま、パイロンを中にしまう。

……これでよし、っと。

 ……くすり。

悪意のある、笑い声が聞こえた気がして振り返る。
見えたのはキーと閉まっていくドアと翻るスカートの端。

 バタン。