ううって杉本先生が落ち込んだ……ふりをした。
上目遣いでこっちをちらちら見てくる。

「葵ちゃん!
そんなこと云っちゃダメだよ。
杉本先生にあやまって」

「……だってハゲはハゲだもん」

今度は葵ちゃんがいじけて、上目遣いで私のことを見てくる。
もう、ほんとに。

「葵ちゃんは杉本先生にあやまる。
杉本先生も葵ちゃんは頑張ってるんだから、あまりからかわないでください」

ふたりを“めっ”って睨みつける。
葵ちゃんはしょうがないけど、杉本先生も子供なんだから。

「……萌花がそう云うんだったら。
ごめんなさい」

「いや、こっちこそ悪かったな」

「それでいいんです!」

ほんと、手が焼けるったら。