林間学校が終わると、期末試験がやってくる。
まあ、普段から私はちゃんと勉強してるし、そんなに慌てる必要はないんだけど。

「……試験なんてなくなればいい」

葵ちゃんの顔色は優れない。
今日返ってきた数学の小テスト、かなり悪かったみたい。

「でも、このテストさえ押さえとけば、だいたい試験勉強は終わったようなもんだって、杉本先生云ってたよ?」

「そのテストがぜんぜんわかんないのー!」

あー、そだね。
葵ちゃん、勉強苦手だし、とくに数学はダメだもんね。

「杉本の奴、事故にでも遭わないかな。
そしたら萌花にてー出してくる奴も消えて、一石二鳥なのに」

「葵ちゃん」

「だってー」

なんでそこまで、杉本先生を嫌うかな?
杉本先生はいい先生だと私は思うよ?
……まあ、ときどき変なことしてくるのはあれだけど。