ドキドキ、ドキドキ。

壊れそうなくらい、早い鼓動。

そのうち印刷が終わり、プリントに手を伸ばしかけて……。

「ああ。
資料づくり。
面倒、だよね」

ぴったりと背後にくっついて立つ明石くんが、私の手を上から押さえるようにプリントを掴む。

……手!手、さわらないでー!!!

 バサバサバサバサ……。

手の中から逃げて、床に広がるプリントを、なぜかぼーっと見てた。

全部落ちて、……これ、拾うの大変だよなー。

妙に冷静な、私のあたま。

「なにやってるの?宮野」

「……あ、うん」