「なんでもない。
足に負担かけるわけにはいかないだろ。
それにあっちはすぐに移動とかもあるし」

「あー、そうですね」

確かに、花火が始まってみんな動き出すと、じっと座ってることとかできないし。
仕方ない、な。

そのうち花火が始まった。
私は参加できなくって淋しいなとか思ってたんだけど。

「ほら。宮野の分」

「萌花、一緒に花火しよ」

杉本先生の手には私の分の花火。
その後ろには葵ちゃん。

「いいんですか……?」

「いいもなにも。
おまえだけ仲間外れとか淋しいこと、するわけないだろ」

「ありがとうございます」

ちょっと照れてる杉本先生から花火を受け取る。