……下山途中。
足をおいた石が転げ、ぐきっと。
ええ、ぐきっと。

「……ったー」

座り込んでしまった私に、葵ちゃんが慌てて駆け寄ってくる。

「萌花!?どうしたの!?」

「……足、捻った」

足首がジンジンする。
痛くて痛くて、立ち上がれない。

「宮野、どうした!」

「宮野、大丈夫!?」

すぐに、少し前を歩いていた明石くんとすぐ後ろを歩いていた杉本先生も駆け寄ってきた。

「……捻挫しました」

「見せてみろ」