「え?あ、ううん。
違うよ。
でも、ちょっと喉、渇いたかなー」

笑って誤魔化してみる。

……けど。

「ほんとに大丈夫?
林間学校なんだから、無理しちゃダメだよ」

葵ちゃんは結構心配そうなまま、自分が持ってきているお茶を私に渡してくれた。

「大丈夫、だよ」

お茶を飲むと喉の渇きもおさまったし、顔の熱も引いていった。

……あんなことで動揺するから、杉本先生からからかわれるし、葵ちゃんには心配されるし。

……いまからこんなんで、林間学校は無事に過ごせるんだろうか?