「ならいいが」

口元だけでにやりと笑う杉本先生に、頬に熱が上がっていく。

……からかわれてる。

わかってるのに反応してしまう自分が憎い。

「おまえ、萌花になにしてんだよ!?」

「うっさいなー。
いいからさっさと席に着けー」

完全に葵ちゃんを無視して杉本先生が教卓に立つので、慌てて席に着いた。

……葵ちゃんはずっと、ぶちぶち云ってたけど。

「あー、前々からの予定通り、来週末は林間教室だ。
クラス委員は今日の放課後、その件で委員会があるのでそのつもりで」

「はい」

……今日の放課後は委員会、かー。
あ、ということは明石くんと一緒になるんだ。
ど、どうしよう。
いまだにどんな顔したらいいのか、わかんないのにー!