「えーっと?」

ほっぺをぷにぷにし続ける葵ちゃん。
そのうちチャイムが鳴り出して……。

「さっさと宮野から離れて席に着け」

 パコン。

「いったー。
暴力教師!訴えてやる!」

葵ちゃんが振り向いた先では杉本先生がにやにや笑ってた。

「あー、はいはい。
そーですか」

「絶対訴えてやるんだからね!」

「宮野はもう、いいのか?」

殴りかかろうとしてる葵ちゃんのあたまを片手で押さえたまま、杉本先生が私に視線を向ける。
いつものふざけてる顔じゃない、真剣な視線。

「はい。
もう大丈夫です」