葵ちゃんはその、数少ない友達のひとりで、お兄ちゃんになぜかすごく懐いてた。

お兄ちゃんがいないあいだは私のこと頼む、って託されてたみたいだし。
 
まあ、中学に入ってからはあまり危険もなく、高校生になってからは乗る電車さえちゃんと連絡すれば、送り迎えは駅までになってる。

お兄ちゃんも卒業したし、のびのびと高校生活が送れると思っていたんだけど。

……それがまさか、あんな風になるとは思ってもいなかったのです。