「おまえ、熱あんだろ、熱。
そんな真っ赤っかで。
保健室行ってこい。
……おーい、ほけ……」

「私が連れていきます!」

杉本先生が云い終わらないうちに葵ちゃんはすくっと立つと、駆け寄ってきて私を支えるように立たせた。

「おー、頼むわ、大塚」

「……!!
……いこ、萌花」

「……うん」

葵ちゃんは杉本先生を睨みつけると、私を連れて教室を出た。
そのままずっと無言で……き、気まずい。

「……ごめん、萌花。
私がもっとしっかりしないから、杉本なんかに手、出させて」

「べ、別に、なにかされたとかじゃない……から」

……おでこにちゅー、く、くらいだし。