仕方ないじゃない、なんか気まずいんだもん。

「おかえり、萌花」

「た、ただい……ま」

やっと落ち着いたのか、笑いすぎて出た涙を拭うと、お兄ちゃんからぎゅーっと抱きしめられた。

「だいぶ痩せたな。
ちゃんとメシ、食ってたのか?」

「最近は食べてたもん」

ひさしぶりの、お兄ちゃんの腕の中。

……でも。
なんとなく、なんか違う。

「……その、お兄ちゃん。
ごめんなさい」

「ん?
なんか萌花は俺に、あやまるようなことしたのか?」

「だって、」

続けようとした言葉は、お兄ちゃんの手に遮られた。
私が黙ると、ゆっくりと手をはずす。