まだ少しぎこちないけれど、葵ちゃんとちょっとずつ話していく。

「その、休んでたあいだの分、ノート貸してもらえない、かな」

「萌花。
それ、頼む人が違うよ」

「え?」

首を傾げる私に、葵ちゃんは笑ってる。

「明石、いつ萌花が戻ってきてもいいようにノート作ってた。
クラス違うから、私も協力したんだよ」

「……そうなんだ」

明石くんの名前が出たとたん、胸がずきんと痛んだ。

「なんて顔してんの!
放課後、明石のところいこ!
きっとあいつ、萌花の顔見たら喜ぶから」

「う、うん……」

ほんとに喜んでくれるのかな……。

「ほら、萌花、行こう!」

「え、えっと……」