ずっと集中していたせいか、気がついたらお昼休みになっていた。
来る途中で先生が買ってくれた、おにぎりとお茶でお昼ごはんをすませると、小さく深呼吸。

……だいたい、そのために学校に来たんだから。
怖じ気付いちゃダメ。

先生だって云ってくれた。
失敗してもいいから頑張ってこい、って。

それに、ダメだったときは先生がきっと慰めてくれるから、怖くない。

もう一度、深呼吸。

よしっ。

「あ……大塚、さん。
このあいだはごめんなさい!」

勢いよくあたまを下げた私に葵ちゃんは面食らってるようだが、かまわずに続ける。

「私のために云ってくれたのに、その、逆ギレとかして。
ほんと、ごめんなさい。
……じゃ、じゃあ、それだけ、だから」