「おはよう」

「……おはよう、ござい、ます」

眠い目をこすり、布団から這い出る。
苦笑いの先生と並んで、歯を磨いた。

「無理しなくていいからな」

「はい」

自分のブラウスと先生のシャツと少し悩んで自分のブラウスを着る。

家を出るとき、先生はボストンバッグを持ってた。

このあいだと同じように先生の車で学校に向かう。
緊張で震えてる私の手を、先生はずっと握っててくれた。

「ひとりで教室行けるか」

「だい、じょうぶ、です。
……たぶん」

「たぶんかよ」

ぎこちなく笑顔を作る私に、苦笑いの先生があたまをぽんぽんしてくれる。