ゆっくりと髪を撫でる手に目を開けると、杉本先生が帰ってきてた。

「おかえりなさい」

「ただいま」

先生の唇が私の唇にふれる。
もそもそと布団から這い出ると、先生はキッチンに立ってお湯を沸かし始めた。

「また昼飯、食わなかったのか?」

「ずっと寝てたから」

ぺたぺたと素足でフローリングを歩き、後ろから先生に抱きつく。

私の服は先生のワイシャツだけ。

ここ翌日、先生が私の身の周りのものが詰まったボストンバッグを持って帰ったが、部屋の隅に置いたまま手を付けていない。
下着は先生がコンビニで買ってきてくれた。

「よく腹減らないな」

「うん」