「おうちの人、心配してたぞ」

……心配?
勝手にしてればいい。
知らない、あんな人なんて。

「……俺が心配なんだ。
それじゃダメか?」

再びあげた先に見えたのは、困ったように笑う杉本先生の顔。

「こい」

一瞬悩んだあと、私はその胸の中に飛び込んだ。