杉本先生はいろいろ提案してくれたけど、どこにもいたくなくて結局来たのは……屋上。

……きっと、明石くんに嫌われた。
穢れてる私なんて嫌だよね。
葵ちゃんだって。
汚い人間なんかと友達なんて困るよね。

ずきずき、ずきずき、張り裂けちゃうんじゃないかってくらい痛む胸。

気がついたら、屋上の縁に立っていた。

……ここから飛び降りれば死ねるのかな。

四階建ての校舎。
下をのぞき込むとずいぶん高く感じる。

……死んだら、いろいろ考えなくてすむのかな。
この胸の痛みも、無くなるのかな。

……死んだら、いいのかな。

そっと右足を一歩、屋上の外、宙に浮かせてみる。

……このまま踏み込んだら死ねる。

それでも、やっぱり怖くてぎゅっと目をつぶった。