誘拐し、親の金でひとり暮らししていた高級マンションの、自分の部屋に監禁し、陵辱し続ける。

でも、無計画なのか、月に二度、通ってきているハウスキーパーにバレた。

報告された父親はハウスキーパーに金を掴ませ口を封じ、そして私を山奥へと置き去りにした。

運良く林業関係者に発見されたが、もしかしたら死んでたかもしれない、って。

二人目は薬の量を間違って、攫ってくる段階で死亡。
三人目は椛島が飽きた頃、やはり父親が後始末をしたのだけれど、二人目が死んだこともあって、もう一人も二人も関係ないと殺して埋めた。

四人目、五人目……続いた子たちも、薬の量を間違えて死んだか、椛島の扱いが悪くて死んだか、父親が殺したか。

私は幸運だったんだ、記憶が戻ってから何度も云われた。
マスコミの報道でも、まわりの人間からも、お兄ちゃんですら。

……でも。
それは本当に幸運なんだろうか。